前回のコラムでご紹介したように、マーセッド大学では現在15名のスポーツ留学生が活躍している。その中でも女子アスリートたちが勉強と部活を両立させようと奮闘している姿は見事である。そんな彼女たちの留学生活を、女子アスリート特集では数回に分けてお伝えしていく。
今回は女子バスケ部に所属する2人の日本人のうちの1人、庄司 鈴菜(ショウジ スズナ)さんに密着した。彼女たちの所属する女子バスケ部は、昨シーズン見事に2年連続北カリフォルニア16強入りを果たし、れっきとした強豪チームとして快進撃を展開している。今シーズンは18名で3年連続のプレーオフ出場を目指し、厳しい練習に日々励んでいる。
庄司 鈴菜さん:マーセッド大学入学までの経緯
彼女が留学を決めたのは、渡米日より1年前のことだった。高校を卒業後、東京日本外国語専門学校でホテルマンになるという目標に向けて勉強に励んでいた。しかし、ホテルでのインターンシップ中に多くの外国人観光客と接する中で、接客業を仕事とするならば英語力が必要不可欠だと痛感し、そこで留学することを決意した。
国際ホテル科から総合英語科へとコースを変更し、今年の4月に彼女の専門学校の提携先であったマーセッド大学付属語学学校に入校。マーセッド大学の入学条件であるTOEFL PBT450点を目指し、一生懸命勉強したという。
渡米当初はバスケ部に入る予定はなかったものの、2年間女子バスケ部に所属していた島袋さんから話を聞く中で、部活が彼女の学校生活を充実させたという言葉が彼女の胸に響き、入部を決意した。6月に行われるTOEFLテストに合格しなければ、今シーズン入部することは不可能と知り、緊張が募る中自分のベストを尽くし、無事に6月のTOEFLテストに合格することができた。
留学生インタビュー
部活を通じて
バスケ部の練習は今学期の授業がスタートすると同時に始まった。練習は朝の5時半から開始という、高校時代の部活の朝練とは比べ物にならない程厳しいスケジュールの中で生活することとなった。
一週間の中で一番忙しいときは、朝の5時半から夜の6時45分まで学校に残り授業を受ける彼女。今まで経験したことのない4時半起きの生活は大変で、正直のところバスケが出来る楽しさばかりではないという。
「毎日が授業と部活を両立するハードスケジュールで、練習中もランメニューに多くの時間を費やすため、部活に対して中途半端な気持ちだときっと続けられないと思います。」
また、今シーズンが初めてのアメリカでのプレーとなり、不安な面はもちろんある。それは、海外でチームスポーツを行う選手の前に必ず立ちはだかる、チームメイトやコーチ達とのコミュニケーションの壁だ。彼女のポジションであるポイントガード(PG)は、ゲームメーカーでありチームの雰囲気作りが重要となる。彼女はチームメイトに声をかけたいけれど、うまく伝えることができない時もあると零した。
「それでも私が続けられるのは、もちろん自分自身バスケが大好きなこと。そしてなにより、チームメイト、そしてコーチに恵まれているからだと思います。」
チームにとても恵まれていると語る彼女。チームメイト同士で思っていることを言い合い、わからない事があれば遠慮なく聞ける環境は、彼女のメンタル面において、大きなサポートになっているという。
彼女自身が成長した面とは
このように忙しくも充実している学生生活を過ごしている彼女だが、渡米して数ヶ月早々に、彼女のなかで
変化を感じている。それは、自分から積極的にチャレンジすること。先日学生主体で開催されたバスケットボールトーナメントでは、学生スタッフの中心となってイベント運営に大きく貢献した。彼女の貢献したいという気持ち、言動が、ほかの学生を刺激しているのは言うまでもない。
また、「これまでは分からないことがあると他の人にすぐ頼ってしまい、答えを聞いていたけれど、すぐに聞くのではなくまず自分で調べて、できる限り自分の力で解決することはとても大切だと思います。」アメリカに渡米当初、分からないことだらけで周りの人にすぐ聞いてしまっていたという庄司さん。自分自身の成長のためにも、意識して行動する習慣をつけた。
それ以外にも、人見知りをする事がなくなったというのも彼女の中で大きな変化であった。アメリカにおいて、見知らぬ人同士でも話が盛り上がるということは日常茶飯事である。そのような環境のおかげで、いつの間にか彼女は人に話しかけることに躊躇いを感じなくなっていた。庄司さんの留学生活は5か月目に突入したばかりであるにも関わらず、その短期間で驚くほどの成長を見せている。
しかし彼女だけではなく、庄司さんのチームメイト、中島さんも目覚ましい成長を見せている一人である。次回は、中島さんの留学生活に密着した内容をお届けする。
・ 過去の記事はこちらから
・ 留学に関するお問い合わせはこちらから