現在、コロナの影響でアメリカの大学の大半は学校を閉鎖しているため、2020年に留学を希望していた学生は容易に渡米できない状態になった。日本の学生だけでなく、現地に暮らす留学生も同様に影響を受けている。そんな中、今回はマーセッドで暮らす大里恭平さんにインタビューを敢行した。大里さんはマーセッドカレッジでビジネスを専攻し、野球部に所属している。勉学と部活動を軸に留学生活を充実させていた彼は、コロナによりどのような影響を受けたのか、実際にアメリカに暮らす彼の心情について迫った。
・コロナの影響で生活に変わったことはありますか?
「最もコロナ以前と比べ変わったことは英語に触れる機会が減ったことです。その原因として、マーセッドカレッジが今年の3月に閉鎖になり今もなお閉鎖が続いています。これまでは学校に行けば授業があり、休憩時間には現地学生との交流ができる環境で、私も積極的に行動していました。また、私は野球部に所属していますが、もちろん部活動もコロナ禍の中では練習を中止しなければならない状況になりました。1人でトレーニングをするにしてもスポーツジムも閉鎖されており体を動かすことすら難しい状況が続いています。カレッジ閉鎖後の約3ヶ月間はホストファミリー宅に篭る日々が続き、辛い時間だったことを覚えています。しかしながら、8月頃から野球部の練習がオンライン上で再開され、Conversation Partnerプログラムといった現地のマーセッド高校生とオンライン上でZoomを介して交流ができるようになり、少なくとも英語を話せたり、現地の方と交流できる機会が増えています。」
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・コロナ期間のホストファミリーとの関係性や意識していることは?
「マーセッドカレッジが閉鎖されて自宅にいる時間が多くなったことでホストファミリーと過ごす時間が増えました。コロナ以前であれば、部活の練習により早朝に家を出発しており、午後からも練習に参加、部活が終われば図書館で授業の課題に取り組んでいた為、帰宅時間が遅くなってしまい、家に帰った時には夕食だけが用意されていて1人で食べていました。しかし、この期間は毎日夕食を一緒に食べるようになりこれまで以上にコニュニケーションを取ることが出来たので関係性は深まったと思います。これまであまり意識していなかった身近な人とのコニュニケーションや共に過ごす時間の大切さを感じることが出来ました。また、コロナ期間は朝起きてホストとのあいさつを交わす際に、喉の痛みや身体が怠くないか、お互いの体調を確認をして体調管理を徹底しています。手洗い・うがいも帰宅の際は徹底してホストへの配慮は忘れないように意識しています。」
・コロナ禍でのオンライン授業について教えてください。
「オンライン授業になったメリットは、自分で時間を決めて課題を進められることです。カレッジで受ける対面授業では次の授業までに課題を提出することがほとんどでした。その為、期間が2、3日しかないことが多かったですが、オンラインでは1週間分の課題が出される為、数は多いですが、時間に余裕を持って計画的に行うことができるようになったことで、自由な時間が増えました。
逆にデメリットとしては、課題で分からない箇所の質問がリアルタイムで出来ないことです。対面であれば授業が終わった後、教授に直接質問ができていましたが、今はメールでのやりとりがほとんどの為、不便ではあります。やはり留学しているからには、お互い顔を合わせての授業の方が良いので、早くカレッジに戻りたい気持ちです。」
・コロナに対するアメリカ人の取り組みについての印象は?
「アメリカ人のコロナに対する取り組みは公共の場では出来ていると思います。例えば、スポーツジムでは器具が外に配置されて体温計測、マスク着用、ソーシャルディスタンスが徹底されています。また、飲食店も店外にテントを建てて室内での飲食は禁止するなど対策をしている印象です。
しかし、一歩公共の場から離れるとマスクをしていない人が多く見られます。また、現地の友人から聞いた話ですが、以前30人近くの友人を招待して自宅でパーティーを開催した際も誰1人マスクをしていなかったと聞いてコロナに対する感覚の違いを感じることも最近では多くあります。現在、アメリカのCOVID-19感染者数は急激に増加しており、これも1人1人の意識の問題だと私は思っています。公共の場だけでなく、どこでもマスクをすることが必要です。アメリカは州ごとにルールが異なり、カリフォルニアでは夜間の外出を制限する案なども出ていて政府としても対策を練っています。その為、私たちも最善の体調管理をする必要があると思います。」
・コロナの状況における自分のモチベーションの変化や気持ちを保つ工夫は何ですか?
「コロナの影響で今年は3月に野球のシーズンが終了してしまい、夏に予定していたサマーリーグも中止になった時はモチベーションが下がってしまいました。しかし、5月頃からいつまでも何もしないのは良くないと思い始めました。1日1日を大切にして野球が始まった時に100%でプレーできるように準備をすることを意識しました。
勉強面では、積極的に現地の友人とTEXTや通話をして、気持ちを切らさないために出来るだけ英語に触れることを心掛けています。また、1日のタイムスケジュールを決めて、メリハリをつけてだらけてしまわないようにしました。この期間は自分の気持ち次第で善し悪しが決まると思います。なぜ留学をしているのかという本質を見失わないようにこのコロナ期間を乗り越えようと思います。」
COVID-19期間 タイムスケジュール | |
6:00 | 起床・朝食 |
〜7:30 | 自由 or 勉強 |
8:00 〜 10:00 | ジム |
10:45 〜 11:45 | 勉強 |
〜12:30 | 昼食 |
12:30 〜 13:15 | 野球準備 |
〜16:00 | 野球(College) |
〜18:00 | 素振り& 夕食 & カンバセーション |
18:00 〜 20:30 | 自由 or 勉強 |
20:30 〜 20:50 | ストレッチ |
21:00 | 就寝 |
いかがだっただろうか。コロナ禍で暮らす留学生も現地で思うような留学生活を送れずに悩んでいる。学校に行けず、家にいる時間が増える中、留学の目的を見失ってしまう学生もいるのではないだろうか。しかし、コロナを言い訳に何もしないで日々の生活を送ってはいけないと感じた大里恭平さんは自らコロナ禍でも自分に出来ることを探して行動に移した。世の中には自分ではコントロール出来ないことがたくさんある。コントロール出来ないことよりも自分にできることを探すことが大切なのだ。今後留学をする学生も海外で自分にできることを毎日1つ1つ取り組んでもらいたい。
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