今回は、前回の古川莉捺さんの記事に引き続き、関西外大短期大学部・ダブルディグリープログラムPart②・岩口美咲さんの記事である。こちらの記事では、このダブルディグリープログラムを通して彼女が学び、感じたこと、そして今後の目標について紹介していく。
Q. 日本とアメリカの大学の違いで感じたことは何ですか。
1.積極性の違い
「日本にいる学生の皆さんもご存じかもしれませんが、アメリカと日本では、生徒の授業に対する積極性が大きく異なります。実際にその状況を目の当たりにすると驚きを隠しきれませんでした。やはり積極性の違いがある理由として、私の意見ですが、日本の教育システムでは、正解か不正解かの明確化に重点を置いているため、どこが間違っているのか、何が悪かったのかを徹底的に突き詰めます。そのため、多くの日本人はちょっとした間違いに敏感になり、失敗を恐れ、挑戦することへのためらいを感じることが多いと思います。しかし、アメリカでは、多少の失敗や間違いに寛容であり、失敗を指摘するのではなく、ナイストライとまずは褒めることから入ることが多いです。そのため、アメリカ人の多くは、起こりうる失敗に恐れて躊躇するのではなく、考えるより行動、といった能力が身についていると思います。このような両国の違いが積極性の点でも関連していると思います。」
2.Audit(聴講)
※Audit(聴講)とは履修登録をせず、授業を聴講すること。
ただし、単位修得は不可能なため、定期試験や課題の提出は不要。
「聴講を通じて、自分が興味のあるクラスCriminology(犯罪学)、Sociology(社会学)を現在受講しています。どちらのクラスも留学生にとって難しい内容のものが多いですが、その分得るものが多いと感じています。聴講を受けることができたという経験は関西外大短期大学部ではできなかったこと、そして初めてのことだったので、大変貴重な体験をすることができています。聴講のお陰で様々な分野に触れることが出来るので、新たな発見をすることが出来、好奇心も広がるようになりました。」
Q. ダブルディグリープログラムを通して学んだことは何ですか。
1.大学の授業
「授業を展開するうえで何に重点を置いていくかに日米それぞれの違いがあり、とても興味深いです。例えば、私は現在マーセッド大学で歴史の授業を履修しているのですが、アメリカと日本で同じ分野を習うにしても、それぞれの歴史の伝え方、教え方が異なります。この点で、様々な視点から物事について考えることが出来るようになり、更に授業に対して知りたいこと、学びたいことが増え、授業に対するモチベーションが上がっています。」
2.将来性の幅の広がり
「ダブルディグリーを持っていることで、日本でも、アメリカでも単位互換が可能なので、将来の仕事への選択肢が増えることに気付きました。特にアメリカではキャリアフォームを推進する組織などがあり、アメリカの地で仕事ができる環境が整っています。そのようなところに参加するのにダブルディグリーを持っていることで有利になると考えています。加えて、英語に対する抵抗感が日本にいた時より少なくなったので、英語を話すことに対しての自信もつき、将来を考えるうえで強みにもなってきます。」
Q. 自分自身変わったことは何ですか。
1.柔軟性
「アメリカに来たことで精神的な部分が大幅に成長していると思います。日本で生まれ育ってきた私は、日本では当たり前の固定観念がアメリカでは通じなかったり、両国の価値観の違いを感じたことで自身の概念が大きく変化しました。
例えば、現在はホストファミリーと住んでいるのですが、住み始めた当初、『ちょっと待ってて』という意味合いを持つ"Just a minute"ですが、1、2分程度待つのかなと思っていたら、30分から1時間程度待たされました。当時の私は無駄なことが嫌いでせっかちなタイプの人間だったので、ありえないと思っていました。しかし、アメリカの生活に慣れてくると日本人より時間にルーズなところも許せるようになってきて、現在ではアメリカの生活スタイルが好きになっています。
またアメリカでは何事も自己責任で行動することが主流です。日本では親の力を借りていたのが、自分一人で行動するように変わったので、自身の成長にもつながり、何事に対しても不安がなくなりました。」
Q. 日常生活で意識しているところは何ですか。
1.ホストとできるだけ共に時間を過ごすこと
「学校以外で英語が学べる環境が、現在ホームステイしているホスト先です。そのため、家にいるときはできるだけホストとの時間を過ごすことで、英語に触れあう機会を増やすよう心がけています。例えば、ホストマザーがご飯を作っていたら、作り方を教えてもらったり、私自身話すことが好きなので、アメリカの政治、文化の違いなど、様々な話題を提示していくことでホストと話をしたりして、スピーキング力、リスニング力の向上を図っています。」
2.ボランティア
「私は現在ホームレスシェルターで週に1回、2時間のボランティアをしています。主な活動内容としては、配膳やシェルター内の方々との会話などを行っています。9月から毎週欠かさず行っており、毎週行くたびに何かしらの学びを得ることができ、とても充実しています。日本にいた時はボランティアをしていなかったので、アメリカに来てボランティアを経験することで、貴重な体験が出来ています。」
Q. 今後の目標は何ですか。
「マーセッド大学を卒業後、関西外国語大学4年制への編入を考えています。アメリカの4年制大学に編入することも考えましたが、やはり経済的な面で厳しい部分があるのが本音です。しかしそれ以外にも実際に英語を学ぶことに焦点を当てると、関西外国語大学でも英語や多言語に触れ合う機会はたくさんあり、自分の行動一つで大きく変わっていくと思いました。
『日本にいては英語が伸びない』とよく耳にします。確かに日本では、日本人がほとんどなので英語を話す機会などが少なくなっていくのはもちろんなのですが、何をするにしても自分との勝負です。自分の周りを形成するのは自分自身で、自分の行動で結果は変えられます。そのため日本にいても周りに流されず、信念を持って生活していくことが大事になってきます。将来的には英語を使った職業に就きたいと考えているので、これからも英語を勉強していくこと+その英語をツールとして何に取り組みたいのかを考えながら、これから先の未来を私自身で切り開いていきます。」
岩口さんはこのダブルディグリープログラムを通し、大きな刺激を受け、彼女自身の成長につながったと語る。日本にいるだけでは経験できなかった新たな発見、そこから多くのことを学ぶことが出来たに違いない。また彼女の価値観や考え方の点で大きく変化したこともこの留学プログラムがあってこその賜物であろう。彼女はこれからも英語と関わりながら、自らの信念のもと突き進んでいく。今学期で卒業となる彼女だが、また次のステージでの活躍を期待したい。
前回の記事を含め、関西外大ダブルディグリープログラムを2部に分けて紹介した。彼女達はこのプログラムを通じて、実際に有意義な留学生活を過ごしている。しかし、現状は全ての留学生に有意義な留学生活があるわけではないという事、を理解していただきたい。彼女達は日頃より、高い意識を持ち、小さな事を積み上げた上に今の彼女達の姿がある。陽の目に浴びない部分こそに価値があり、彼女達は周りに流されずに、突き進んできた。
このダブルディグリー留学を経て、次のステップに進む彼女達の活躍を期待したい。
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