当コラムでも紹介してきたマーセッド大学野球部のブレイク・セダーリンドが、6/9-6/11に開催されたMLBドラフトにて、ピッツバーグ・パイレーツより5位での上位指名を受けた。セダーリンドは昨年にもツインズからドラフト22位で指名を受けており、2年連続のMLBドラフトでの指名となった。マーセッド大学としては、42年間で73人目のMLBドラフト指名となり、野球の強豪大学としての地位を確固たるものとしている。
一方で、セダーリンドはマーセッド大学での活躍が認められ、名門・UCデイビスから野球奨学金のオファーを獲得、現在、マーセッド大学で農業経営学(Agriculture Business)を専攻しているため、農業研究においては世界最高峰とも言われるUCデイビスへの進学も視野に入れている。
メジャーリーグでは、人材確保のため、大学進学が決定している選手へ契約終了後(引退後)の学費の提供を契約内容に入れることもあり、メジャー球団からの変則的な”奨学金”が一般的となっている。メジャーリーグとて、「大学教育」の魅力を敵に回しては人材確保が困難となるのがアメリカである。このように、アメリカでは教育に対する意識が非常に強く、キャリア選択において教育という選択肢が常に魅力的な存在となる。加えてNBAやNFLでは、高卒選手の獲得を一律に禁止、 選手は大学に進学しカレッジスポーツの舞台で活躍した後にプロに進む道が一般的となっている。
サッカーを見てみても、MLSドラフトの対象となるのは、基本的には大学生である。トップチームのユースは存在するが、ユースでの活躍を認められた選手はUCLAなどの名門大学から奨学金のオファーを受け、大学進学を果たす。大学進学後の4年間、大学のチームとプロ選手育成リーグであるPDL(プレミア・デベロップメント・リーグ)でプレーした後、満を持してMLSドラフトから指名を受けるのである。確かに、ライオネル・メッシやクリスティアーノ・ロナウドのようにユース組織からすぐにプロ入りし、10代中盤から活躍を見せるという例はアメリカではほとんど見られない。その一方で、現役を退いた後にアメリカのスポーツビジネスの世界で手腕を振るう選手や、その他の業界で活躍を見せる例は、枚挙に暇がない。
キャリア形成において、プレイヤーとしての寿命を終えた時、または不慮の怪我などで現英気続行が不可能となった時、大学生としてどのように時間を過ごしたかが問われる。今、セダーリンドの進路選択に注目が集まっている。
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