グローバル化が進む現代では、伝統的な農業から新たに開拓された農業まで多岐にわたって私たちの食生活を支えている。
また国の発展に欠かせない事業の一つとして、国内自給率を上げていくことが多くの国では課題となっている。
その中でも、酪農産業の需要は毎年上昇しており、多くの国では、経済発展と共に牛乳・乳製品の消費量が増えている。
今回は、世界の酪農とアメリカ・カリフォルニア州の酪農について紹介する。
世界の酪農産業
近年、多くの国で牛乳や乳製品の消費が高まり、それを支える酪農産業界では、生産量の増加が求められている。
特に先進国では最先端の科学技術を取り入れることで、より効率良く質の高い牛乳を大量生産することが可能になった。
その一方で、発展途上国では乳牛頭数を増やすことで摘出・生産量を増やしているのが現状である。
世界の乳牛頭数はおよそ2億5千万頭(2019年)おり、年間およそ8億5,200万トン(2019年)の牛乳を生産している。
その中でも、EUは最大の乳生産量を誇り、約2,300万頭の乳牛がいる。これに対し、北米では1,000万頭、オーストラリアとニュージーランドでは600万頭以上の乳牛が飼育されている。また、東南アジアでも乳生産が増加傾向である。中国では1200万頭以上の乳牛がミルクを生産しているなど、従来は牛乳の消費量が少ないとされてきた国々も含まれている。(参考資料:https://www.ciwf.org.uk/farm-animals/cows/dairy-cows/)
カリフォルニア州の酪農産業
日本とほぼ同じ面積を持ち、北から南へ縦に伸びているカリフォルニア州。
多種多様な動植物と温暖な気候に恵まれたカリフォルニア州では、その土地を活かした農業が行われている。世界をリードするアメリカの酪農産業、その中でもカリフォルニア州の酪農産業はトップクラスで、牛乳・乳製品の全米第一位を誇る、酪農が盛んな州である。
カリフォルニア州には酪農産業を支える企業・大学が多数あり、各機関が連携することで、更に生産を効率化するための環境が揃っている。
夏場の乾燥した暑さは乳牛へのストレスになるが、それを減らすことが農業家たちの課題であり、企業との協力によって毎年の生産高は上昇傾向にある。
カリフォルニア州の強みは、ほかの地域に比べ、年中を通して摘乳可能であることで、これが全米第一位を誇る生産量を支えている。
アメリカでは、摘出量の多い乳牛の選別を行い、遺伝子的に摘出量の多い種を増やしたり、人工授精を行うことで、より効率的に繁殖を行うなど、多くの科学技術が酪農産業に取り入れられている。
また、最近では冷凍精子の市場も確立され、遺伝子的に優れている乳牛を取引することが可能になった。それらの効率的な酪農生産がカリフォルニア州の生産量を増加させている。
アメリカ国内の90%以上の酪農家ではホルスタイン種(白に黒い模様のある牛)が飼育されている。ホルスタイン種は体格が大きく、ほかの種類の牛と比べ、牛乳の摘出量が多いため、多くの酪農家が飼育している。白い体に黒の模様が入っている牛(写真右)がホルスタイン種で、牛乳と聞いてこの牛を連想する人も多いだろう。
カリフォルニア州地域別農業生産ランキング
カリフォルニア州のセントラルバレーに位置する地域が上位を占めており、その理由として広く安い土地があること、また飼育されている乳牛のほとんどがホルスタイン種で、特徴として寒さに弱いが暑さには強く、セントラルバレーの亜熱帯気候に適していることが挙げられる。
マーセッドはカリフォルニア州58都市の中で6位の農業生産総価額を誇っている。また、マーセッドから車で約1時間の位置にある都市、フレズノは州内で1位となっている。(参照:https://www.cdfa.ca.gov/Statistics/PDFs/2020_Ag_Stats_Review.pdf)
各国での科学技術の発展により、日々新たな道が開かれてゆく世界の農業シーンでは、国内需要へ向けた安定的な酪農生産から、国外貿易へ向けた積極的な生産も増加傾向にある。
そして、交通機関の発達もそれに拍車をかけており、今後は一層、国内外の酪農産業において激しい競争が展開されていくだろう。
各国が科学技術の随意を結集し、発展を目指す農産業、その最先端を行くアメリカの動きに、今後も注目である。
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